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スタジアムに行こうっ!ぶらり旅2003年イタリア遠征キエーボ対ACミラン観戦
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欧州のフットボール文化を体感しよう!
2003.11.23
ヴェローナへ、キエーボ対ACミラン観戦

 昨日のサンシーロの興奮冷めやらない中、忙しく朝食を済ませた。身支度を整えてたはいいけど今日は日曜日、ミラノの街の商店はどこもお休みだという。なのに宿泊先のホテルには8時ちょうどに警告音が鳴った。「とっとと出て行けこの野郎〜!」てな感じ。普段、時間にいいかげんなイタリア人もこんな時はホント正確だ。一生に一回になるかもしれない海外旅行だってのになんだって第2次世界大戦の爆弾なんて出てきちゃうの?ミラノ中央駅付近から半径1キロは立入禁止とする。追い出される形で仕方なしに地下鉄に乗ってミラノの中心街ドォウモに向かった。

 まだ9時前、ホントどこもやっていやしねえ・・。ホントせっかくミラノまで来たってのにやることもなしにフラフラふらふら。知らない街をゆっくりふらふらするなんてこれぞ贅沢な旅の楽しみ方なのかもしれないけど、修学旅行で「あれ3つ目に行ったのが清水寺だっけ?それとも金閣寺?」的、時間内めいっぱい回らなきゃ損的楽しみ方しか知らないしがない日本人のオイラにはもうもったいなくってもったいねくって・・。今日はこれからヴェローナに向かう。バクダン騒ぎのおもしろハプニングのおかげでそういうことになった。そのお迎えのドライバーさんが迎えに来るのがドォウモホテルに15時ってお約束。まだまだすげえ時間がある・・。10時を回るとファーストフードのお店は開き始め、そこで時間つぶし。ここだけは日曜日でもやっているよと教えられた「リナシャンテ」っていうミラノで唯一のデパートで時間をつぶし。ああなんてもったいねえんでしょう。でもミラノのドォウモ周辺は聞いていたよりは日曜日でもあちこち開いていた。さすがに15時までは長かったけどお土産やらいろいろ買い物ができた。ミラノはやっぱりファッションの街だかなんだか、かっちょええ服がいっぱい売っていましたよ。でもしがない日本人のオイラにイタリアの服は似合わない。「あのこのズボン20センチすそ上げしてほしいんだけど・・」なんてとてもいんぐりっしゅで言えません・・。せめてということでネクタイを大量に買うことにしました。職場の友達のお土産と自分の分と、さぁ今日も行くぞ〜いんぐりっしゅ!
やす「えくすきゅーすみ〜!I want many ネックタイ if I buy many many ネックタイ ディスカウント OK?」
店員「How many?」
やす「10 over over ↑ ↑!!」
店員「10%OFF OK!」
やす「マジっすか!」
通じるもんすね〜!10%OFFでネクタイを買ってきました。土産も買った、ミラノもぶらぶらした。

 15時、ドォウモホテルのロビー、今日はACミランが見れちゃうんだぁ!今日、シェフチェンコがゴールを決めてくれれば僕らの思惑通り、ヴェネツィアグラスのかざり物も生きてくるってもんです。ミラノの老舗ホテル、ソワソワしているしがないニッポンジンに声をかけてきたチリチリ頭の男性がひとり。マリオさんっていって30〜40くらいのなかなかのいい男でした。その彼、しきりに添乗員さんの名を口にする。
やす「He is エアポート ナウ?No here いないいないここには」
マリオ「えぇっ!ヴェローナに行くんだろ?空港に行くのかい?(多分こんなことをイタリア語で言っていた)」
とかそんな感じでまったく通じない会話、どうにか理解していただきいざヴォレーナへ。この辺からなんとなぁ〜く嫌な予感がしていたんです。

 ローマでも触れましたけど、イタリアのみなさんの運転ってのはけっこう荒い。「きっとこのチリチリ頭のナイスガイもすっ飛ばすんだろうなぁ」なんて思っていたら思ったとおり。高速に乗るや否や140〜150キロですっ飛ばし始めた。迎えに来てくれたタクシーってかハイヤーってんですか?それがまたベンツで乗り心地がいいもんだから140でも150でもびゅんびゅんでるんです。ベンツでお迎えに来てもらってセリエA観戦なんて絶対もう一生ありえないな・・。かみしめながらの旅路のはずが平均140キロの高速道路にまったり鑑賞にひたている場合じゃない。正直すげえ怖かったです。

 17時を過ぎるとヴェローナの町に到着。どっかの国道沿いに僕らを乗せたハイヤーは泊まり、マリオはなにやら携帯でどこかに連絡をはじめた。もう全然何言っているのか、今ここがどこなのか?ちんぷんかんぷんもいいところ。ちょっとすると僕らの車の前に黒塗りの車が停車した。そのドライバーとマリオさんが何やら取り引き。なにかやばい物を取引しているように見えてしまう。もちろん取引していたのは今日のチケット、黒塗りの車はチケットのエージェントのものでした。チケットもゲット、18時にはキエーヴォのホームスタジアムマルカントニオ・ベンテゴーティに到着。さてと、こっからが大変だ。知らない土地でこの唯一頼りになるマリオという名のマリオさんからはぐれちゃったらまさにアウト・・。

やす「Where car?Football finish here?」
マリオ「%%$&##&&」
マリオ&やす「うわぁ〜こいつの言っていること全然わからねえ・・。」
そうなんです。僕の使っているのが英語かどうかはさておいて、このマリオというドライバーもまた英語は片言もできないくらいできない人だったんです。イタリア語オンリーのマリオ、日本語オンリーのオイラ、途方にくれる。
マリオ「Can you speak Italy?」
やす「NO・・」
マリオ「Can you speak English?」
やす「NO・・」
マリオ「Can you speak Japanese?」
やす「Yes・・」
マリオ「A HAHA〜」
アハハじゃなえ〜よ!こいつなめていやがる・・。イタリアンジョークかまりしている場合じゃないよ〜・・。マジでまいりました。15分くらいかけて「んじゃ試合が終わったら警察がいなかったらココ、いたらこっちにいるからね」ってのが分かった。いや〜大変でした。

 それにしても試合までまだ2時間以上あります。いつもの通りとりあえずスタジアム周辺をぶらぶらしてみることにした。サンシーロと同じで、スタジアム周辺には出店があふれている。時間がふんだんにあるんでこの店で腹ごしらえ、けっこういけましたよ。19時くらいにスタジアム内へ。そりゃサンシーロとはいかないけど、4万弱収容のスタジアムはでかすぎず小さすぎずいいスタジアムでした。トラックがあったのがちょっと残念でしたけどね。試合までまだ1時間以上もあると指定席はがっらがら、試合始めるまでに用を済ませようとトイレに立つと、何やら外が騒がしい。のぞいてみるとパトカーの先導でACミランのエンブレムの入ったバスがスタジアムに近づいてくる。ミランが来たんだ。スタジアムの外にはミランのサポーターがごった返している。こりゃラッキー、人ごみを掻き分けバスはスタジアムに、選手が続々と降りてくる。カフー、ルイ・コスタ、ガトゥーゾ、インザーギ、シェフチェンコ、ピルロ、シードルフ・・嗚呼有名どころが続々と・・薄暗くって全然見えなかった僕の横でイタリア少年が次々と名前を呼んでいる。いいもんが見れた。

 少しづつ客も入ってくると、スタジアム内に何やらホースが延び始めた。何するの?今度は消防士が放水を始めた。トラックにもうホントじゃんじゃん水をまくんですよ。ホコリでも立っているのかな?なんて思っていたんだけど、そこがやっぱりセリエAだったんですね。選手がピッチに出て練習を始めるとどちらのサポーターもおお盛り上がり、そんな中、試合が始まっていないってのにミランサポーターは早くも発炎筒を炊き始めた。うぉぉすげ〜!なんて思っていたら消え始めてきた発炎筒がポ〜ン、なにすんねん!弱ってきた発炎筒をトラックに投げ入れるんです。ジュ・・。ああなるほどだから水をあんなにもまいたのね。もう発炎筒は投げ入れられるものとして扱われているんだからすごいですよねホント。

 20時半、選手入場、スタジアムのボルテージも最高潮!ミランのサポーターは発炎筒の嵐、キエーヴォのサポーターはご覧のようにチームカラーの旗を振りまくる。やっぱり欧州のサッカーってすげえなぁ。90分、至福の時間が始まった。試合のうんちくはいつもどおりたれることないんですけど、昨日のインテル対レッジーナよりずっと面白い試合内容だった。やっぱりミランの一方的な展開ではあったけど、キエーヴォもいくつかのチャンスは作れていた。とくに前半、ミランは序盤から試合を支配しながらも、なかなか得点に至らなかった。キエーヴォはピンチピンチの連続なるもほんとよく守っていた。競合相手のセオリーなのかもしれないけどよく守ってのカウンター、シロートの僕にも分かりやすい展開だった。得点が動いたのはロスタイム、ガットゥーゾのクロスにシェフチェンコが頭で合わせてゴール!!またロスタイムまでの均衡ってのがいいじゃないですか!45分待っていた先制点はこれまた待っていたシェフチェンコのゴールだった!!なんでもこのシェフチェンコのゴールはミラン移籍後100ゴール目だったんだって。ここで前半は終了。後半開始早々にも再びシェフチェンコが2点目をマーク!この日シェフチェンコとツートップを組んだトマソンもなかなかの動きでポストをたたくシーンなんかもあった。トマソンの活躍も見たかったんだよな・・。昨年のW杯、僕は新潟でトマソンを見てきたもんで、あの時はトマソンのゴール見れなかったんでね、かなり応援していたんですけどね・・。後半30分過ぎだったかな?この日2得点のシェフチェンコは交代。期待していたインザーギの出番はなかった。あとはやっぱりルイ・コスタ、精度の高いパスを前線にじゃんじゃん。「カカーの出番なんて必要ないぜ!」ってプレー振り、カカーの出番もなかった・・。ACミランはねらったとおりシェフチェンコのゴールで2−0での圧勝!大満足の試合でした。

 さぁ帰ろう、・・ミラノまで。帰れるのか?スタジアムから出ると、約束の場所にマリオがポツンと待っていた。あぁぁよかったぁ〜!通じていたんだ。マリオの車に乗っていざミラノへ!帰りももちろん140キロ超えのトップスピードでかっ飛ばすこのナイスガイ!おかげで24時前にはミラノに着いちゃいました。マリオに丁重に唯一覚えたイタリア語「ぐらっちぇ〜」を連呼してチップを渡した。
マリオ「ありが〜と!」
きっと彼も唯一知っている日本語だ。あ〜それにしても疲れた。それにしても夢のような1日だった。2日連続のセリエA観戦、この夢は明日で終わってしまいます。今日のこの贅沢はまた日本のしがない現実で取り戻さねば・・。明日は東京に向けて出発・・。明日は旅日記としてはたいして書くことないんですけどね。欧州のフットボール文化にちょっと触れてきて感じたこといろいろ書いてみたいと思います。そんじゃ明日で最後!また明日!!

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